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就業規則の退職、解雇、労働条件変更へのポイント
1)退職や解雇条文の就業規則への書き方と運用への考え方
どんな就業規則にも退職事由や解雇事由は書かれております。
問題は、これらの記載事由は実務上、どのように解釈され、運用されるのかはイマイチよく分からないのはないでしょうか。
就業規則を作成する上で非常に重要な内容です。
また、適用するにあたっては、合理的であり社会通念上相当性を理解していないと、意味のないものにもなりかねません。判例などからどのような意味があるのかが推測できます。
- 退職なのか解雇なのか
解雇は会社からの契約終了の意思表示であり、退職は従業員からの契約終了の意思表示です。しかし、しばしば、退職なのか解雇なのかで問題になることがあります。
具体的には、従業員にしてみれば、解雇扱いにしてもらうと、雇用保険の基本手当の日数が大幅に増える
→解雇扱いの方が、再就職先が見つからない場合、退職扱いの人よりも、基本手当を長い期間もらえるということです。
雇用保険の基本手当の支給停止期間がなくなる
→自己都合退職の場合3ヶ月間基本手当をもらえませんが、解雇の場合はすぐもらえるということです。
- 解雇事由はどこまで記載すべきか
判例上、懲戒解雇の場合は、懲戒処分の対象となる行為は就業規則に記載された事由に限定されるというのが通説です。
普通解雇の場合は、就業規則に記載された事由に限定されるとした判例もあれば、記載されている事由に相当する事由も認められるとする判例もあります。
いずれにせよ解雇事由の中に「前各号に相当する理由があるとき」といった条項を記載する必要があります。
また、就業規則の雛形をそのまま使用するのではなく、想定できる事態を慎重に想定してできる限り網羅することがもっとも重要なのです。
- 解雇手続きと就業規則
判例上、就業規則に解雇手続きが記載されている場合、例えば、「解雇をするときは賞罰委員会の議を経る」といった内容の場合、就業規則に記載されている手続きを経た上でなければ解雇が無効となる可能性があります。
- 解雇事由の有効性
解雇は、労働基準法第18条の2にて下記のように定められています。
「解雇は、客観的に合理的を理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したとして、無効とする。」
就業規則に書かれている解雇事由および実際に発生ケースは、「客観的に合理的な理由」「社会通念相当である」といえるかどうかといった運用上の問題があります。
具体的には
勤務成績や職務能力を問題とする場合、傷病に関する問題
→ 一般的に、私傷病の場合は、休職期間を設けてその期間を超えて職場復帰できなければ休職期間満了にて退職扱いと就業規則に記載されております。
問題となりやすいケースは、完治していないがある程度の仕事はできるまたは近い将来回復する見込みがあるといった場合です。
経歴詐称や職務命令違反などを問題とする場合
などが挙げられます。
これらの理由が客観的に合理的な理由」「社会通念相当である」といえるかどうかはケースバイケースです。
判例等を検討し、個々のケースごとに、実質的に解雇事由の趣旨、目的、他の制裁処分とのバランスなどを総合判断することとなります。
- 懲戒解雇と退職金
懲戒解雇をした場合、退職金を支給しないまたは減額することは可能でしょうか。
まず、就業規則でそういった規程が定められていなければなりません。
つぎに、上記4.の懲戒解雇が正当かどうか、会社に相当な損害を与えたことがポイントとなります。
2)就業規則変更=労働条件変更への考え方
最近では、適格退職年金の廃止により、退職金規程の見直し事例が増えております。
このような、退職金規程をはじめ、労働条件を変更、特に労働条件に引き下げ(不利益変更)は判例上、原則認められておりません。
認められるには、合理的理由が必要となります。
個々にはケースバイケースですが、一般的に、
- 経営上の高度な必要性
- 不利益の程度(代替措置、経過措置に有無)
- 社会的妥当性
- 労働組合や従業員の合意
が判断基準となります。
労働条件に不利益変更は退職金規程の変更だけでなく、賃金形態の変更(固定給⇒歩合給への変更など)、慶弔休暇日数の変更、通勤手当単価の変更、所定労働時間の延長など就業規則の変更には程度の差はありますが、必ず考慮しなければならない問題です。
3) 定年延長等継続雇用対応
高年齢者雇用対策法が平成18年4月より施行され、定年延長、定年廃止、定年延長以外の継続雇用対応のいずれかの対策をとらなければならなくなります。
その対策に合わせて、就業規則も変更しなければならなくなります。
詳細は、定年延長等に関する法律概要を参照下さい。
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