社会福祉法人制度改革について

社会保障審議会福祉部会報告書
~社会福祉法人制度改革について~



2月12日に出た、

「社会保障審議会福祉部会報告書 
~社会福祉法人制度改革について~」
という今回の報告書は重たい内容になっています。

社会福祉法人の方にとっては、法改正・報酬改定と同等もしくはそれ以上の激震になるかもしれないものです。




【1.評議員について】



「社会福祉法人の高い公益性に照らし、一般財団法人・公益財団法人と同様に、必置の評議員会を議決機関として法律上位置付ける」とあります。



今までは社会福祉法人の中でも評議員を設置することを求めていたのは一定の事業の方のみで、法律上の義務はなく、絶対になければならないものではなかったのです。


続いて「理事・理事長に対する牽制機能を働かせるため、評議員会に理事、監事、会計監査人の報酬や選任・解任等の重要事項に係る議決権を付与する必要がある」とあります。

これは要するに、理事・理事長とは別に議決機関として評議員を法律上位置づけなさい、ということです。

また、重要な役割を担う評議員の権限・責任を法律上明記する必要がある、ともあります。

更に「理事と評議員会の適切な牽制関係を築くため、理事と評議員の兼職を禁止する」とあります。

今までは兼職することが多く、それによって透明性の高い経営が損なわれてきたのではないか、という疑問がありました。



そこで、これからは報告書に沿って理事・理事会を監視する牽制機能として評議員会を設置することとなります。


その他には、評議員の構成についてです。



「現行の取扱いでは、評議員には地域の代表を加えること、利用者の家族の代表を加えることが望ましいこととしているが、評議員会を議決機関として位置付ける場合には、その重要な権限に鑑み、事業に対する識見を有し、中立公正な立場から審議を行える者であることを重視した構成とすることが適当である。」とあります。

もっともな意見だとは思いますが、社会福祉法人として果たしてそこまで準備することができるだろうか、と考えると疑問が湧きます。

都道府県や市区町村にいた方が天下りしやすい仕組みになるのではないか、という推測も起こります。


そして、今まで以上に透明性の高いものにする為に、国が締め付けを厳しくしていく方向性なのかもしれない、ということも感じられます。





【2.監事について】



会計監査人について、「会計監査人の設置義務・ 社会福祉法人のガバナンスの強化、財務規律の確立の観点から、公益財団法人における取組を参考に、一定規模以上の法人に対して、会計監査人による監査を法律上義務付ける必要がある。


また、設置義務の対象とならない法人においても、定款で定めるところにより、会計監査人を置くことができるようにする必要がある。


会計監査人については、実効性ある会計監査を行うため、その権限、義務、責任(監事への報告義務、損害賠償責任等)を法律上明記すべきである」とあります。

会計監査人の設置を義務付ける法人の範囲は、

①収益(事業活動計算書におけるサービス活動収益)が10億円以上の法人
(当初は10億円以上の法人とし、段階的に対象範囲を拡大)

②負債(貸借対照表における負債)が20 億円以上の法人

となっています。



社会福祉法人は現在、2万法人あると言われていますが、この内、施設を伴った法人が1万6千法人程、年商10億以上の法人となると2千法人程度なので、この2千法人に監査法人が関わってくるということだと思いますが、年商10億円程度の法人が監査報酬2%~5%を払える体力があるのかということを考えると監査法人側が赤字になるという予測もでてきています。

ただ、国からの要請なのでやらざるを得ない部分もあるのかもしれません。

もしかしたら、独立してやっている公認会計士事務所の方々等が登録によって会計監査人を請け負っていく可能性もあります。

推測ですので、一般の税理士、公認会計士事務所の方にまで仕事が回ってこないかもしれませんが、早速 社会福祉法人について勉強しよう、という公認会計士の方もいらっしゃるようです。


会計監査人は、収益10億円以上の法人、負債が20億円以上の法人にとっては大きな話ではないかと思います。



【3.内部留保について】

明確にしていかなければいけない、ということは当然皆様もご存じかとは思いますが、資料に定義があり、法人単位で各々明確に位置づけなければいけないのです。

そして、福祉サービスへの計画的な再投下をする為の再投下計画を義務付ける、とあります。

第三者的なことも含めてチェックし、積極的、戦略的に再投下計画を作りどう社会に還元していくかを明確にしていかなければならないのです。





【4.地域医療連携推進法人制度について】

非営利法人カンパニー型法人が地域医療連携推進法人という名前に変わりました。

医療法人、社会福祉法人、NPOが包含されているものですが、ベースは医療で、介護の社会福祉法人も入ることができる、と変わってきました。


元々非営利法人カンパニー型法人は医療からでてきており、人口が減ってマーケットが萎んでいく中で、医療が生き残っていく為には介護まで手を伸ばさなければならない、しかし、介護に手を出すことに不安がある、という考えから始まりました。

自分達が積極的に介護に事業展開しなくても連携を作っていく仕組みを作ることで医療の安定化を図っていきましょう、適切な言葉ではないかもしれませんが、患者の送客装置を作っていきましょう、という医療の仕組みに社会福祉法人を巻き込むものだったのです。

社会福祉法人は社会福祉制度改革が進んでいく中で、始めから介護を飲み込むような仕組みを考えるのではなくて医療は医療、社会福祉法人は社会福祉法人でやり、合致する部分は一緒にやっていきましょう、と意義を唱えたことによって、名称が変わってきたようです。

医療をベースに社会福祉法人も入ることができる、という仕組みに変わったのです。

実態はあまり変わりありませんが、医療にとって重要な仕組みであることは間違いないことです。

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