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是正勧告Q&A

■目的

臨検監督(一般には「臨検」と言われております。以下「臨検」)の目的は、会社の法違反が深刻な労使トラブルにならないうちに予防することにあります。
違反発生後に会社に罰を与えて改めさせる方法は、即効性に欠け、労使関係が深刻・拡大し、修復を困難にさせる恐れがあるため、事前に監査し会社に対応を促すものです。

■対象

臨検の対象となるものは、労働基準に関するもの、安全衛生に関するもの、労働保険料に関するものなどがあります。
この内、最も多いものが労働基準に関するものです。
臨検は、おおむね下記の場合に行われます。
  1. 労働基準監督署の定期的に計画において行われる「定期監督」

  2. 従業員からの要請があった場合に行われる「申告監督」

  3. 上記 1. の定期監査の実施状況の確認や、会社が期日までに是正勧告に対する報告をしなかった場合等に行われる「再監督」
    近年では、従業員の権利意識が高まっていることから、「申告監督」がおこなわれるケースが増加しております。

■会社の対応

是正勧告をうけた会社は、指摘された内容を的確に把握し、指定された期日までに、適切な措置をとる必要があります。
具体的には、措置内容を記載した是正報告書を提出することとなります。
その際、その措置が実際おこなわれたかどうかを確認する書類の添付が求められることもあります。
例えば・・・
  1. 時間外労働手当の未払いの場合 → 領収書、入金確認書
  2. 就業規則の未提出の場合 → 就業規則、提出届、意見書
など

是正勧告書を交付されても、事業主に改善の意思がみられないなどの場合には、司法処分がくだされることもあります。

■労働基準監督署以外からの調査

是正勧告というと、労働基準監督署からの調査と一般的にとらえられがちですが、助成金関係の特別行政法人、ハローワーク、社会保険事務所からもありえます。

例えば、社会保険事務所からは定期的なものとして(1)標準報酬月額のチェック、(2)加入資格の適正チェックなど、臨時的なものとして(1)年金受給者の就労実態と保険加入資格のチェックなど。

標準報酬月額のチェックとは、社会保険料を算定するための給料のことをいいます。
原則として、毎年、4月~6月、3ヶ月間の平均を9月以降1年間の標準報酬月額となるのですが、4月~6月の給料には、各種手当や残業代も含まれます。
標準報酬月額が高ければ、業務外で病気やケガをして会社を休み、その分の給料がもらえないときに60%補助される傷病手当金の額や、将来の厚生年金の年金額大きな影響があります。
一方、会社や今の個人負担は多額となります。

加入資格の適正チェックとは、加入すべき人が社会保険に加入しているのかどうかということです。
チェックの比較的多いパターンは下記の2つです。
  1. パートタイマーが多い会社
    社会保険に入らなければならない人とは、通常社員のおおむね3/4以上労働している人です。
    従って、月22日労働、1日8時間労働の会社を想定した場合、
    • 週30時間以上働く人   または
    • 月16日以上働く人    となります。
    パートターマーと称して、正社員と同じ時間労働している実態がある会社は要注意です。
  2. 60歳以上の従業員が多い会社
    老齢年金をもらって社会保険に加入している人は、年金額と給与額に応じて年金が減額されます。
    詳細はこちらをご覧下さい。
    従って、社会保険に加入しなければ年金が減額されることもありません。
    通常社員のおおむね3/4以上労働している60歳以上の従業員で社会保険に加入されていない方が多くみえる会社は要注意です。

    次に、ハローワークからは(1)加入資格の適正チェックなど、特別行政法人からは助成金のチェックなどです。
    ハローワークの(1)加入資格の適正チェックは、上記社会保険同様、週20時間以上労働しており、1年以上雇用見込みのある人が正しく雇用保険に加入しているかどうかです。
    特別行政法人からは助成金のチェックは、過去にもらった助成金に不正がなかったかどうかということです。


■賃金不払残業に係る是正支払の状況の要約

(平成16年9月27日厚生労働省発表)

【対象】

 期間:平成15年4月から平成16年3月まで

【割増賃金の是正支払の状況】

<不払いになっていた割増賃金の支払い額:1企業当たり合計100万円以上>是正企業数は1,184企業
対象労働者数は194,653人
支払われた割増賃金の合計は238億7,466万円
企業平均2,016万円、労働者平均12万円

<不払いになっていた割増賃金の支払い額:1企業当たり合計1000万円以上>是正企業数は236企業(全体の19.9%)
対象労働者数は147,660人(全体の75.9%)
支払われた割増賃金の合計額は210億2,737万円(全体の88.1%)
企業平均では8,910万円
労働者平均では14万円

【業種別の状況】

業種においては、製造業、商業、金融・広告業が多くなっております。




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